Build your base

Alienum phaedrum torquatos nec eu, vis detraxit periculis ex, nihil expetendis in mei. Mei an pericula euripidis, hinc partem ei est.

牢獄天使城でカリオストロが見た夢

もし人類が突然、
この地球から蒸発していなくなったら、
残された大自然はどうなるか。
翌日から、目に見えぬ速度で、
枯れ始めるだろう。
もしこの地球上で、突然
すべてのダンサーたちがダンスすることを辞めてしまったら、
やはり翌日から
自然に属する人間の肉体そのものが
枯れ始めるだろう。


僕はいまだにダンスすることに
一抹の「恥ずかしさ」と「後ろめたさ」を感じ続けている。
言うべきこと、言いたいことがあるならば、
現実社会の中で、コトバを一声、発するのだ。
だが、いまもって舞台上の「沈黙のダンス」に
僕は加担し続けている。
一体、ダンスは根源のコトバになるのか。
新しい大自然を創造するのか。


ローマに天使城( サンタンジェロ)
という城がある。
かつては政治犯の牢獄であり、
マニエリスムの絵画の収集宝庫でもあった。
フランス革命の後、ローマにやってきた
カリオストロは
イタリア革命を画策中
逮捕されて天使城に幽閉される。
一七八九年十二月のこと。
それからスイスのサン・レオの独房に移され
一七九五年に死んだ。

カリオストロが夢見たのは
政治的革命ではない。
ダンスが人間に自由をもたらすことを、
ダンスが自然界と人間を「友情」で
結びつけてくれるということを、
ダンスが根源のコトバとなることを、である。

No Comments

Sorry, the comment form is closed at this time.